性生活の不一致をめぐる攻防

性生活の不一致をめぐる攻防

  別れたい理由別れない理由攻防の要点と結果
①       夫は夫婦生活を嫌う、ポルノビデオを見ながら自慰行為を行う(妻が提訴)──昭和63年婚姻、平成3年別居婚姻請求は妻の不満と妻の両親及び祖母の影響、改善を約する性生活異常といえるか──請求認容──性交渉は入籍後5ヶ月内に23回、ポルノ云々は正常な夫婦の性生活といえず、改められていない(福岡高裁H5.3.18判夕827.270)
②       夫の病気、生活難、家事非協力(妻が提訴)他の男性に対する妻の軽率な行動性格及び性生活の不一致──認容──性格及び性生活の不一致から夫に対する信頼感及び愛情の喪失を認定(名古屋高裁S53.6.13「ジュリスト」678.6)
③       同性愛(妻が提訴)──昭和39年事実上の結婚、40年婚姻、そのころより求めてこなくなる関係の解消を約する性的異常の有無──請求認容──正常な性生活といえず、正常な婚姻生活を取り戻すことは不可能(名古屋地裁S47.2.29判時670.77)
④       性生活が常態ではない(妻が提訴。「原判示によれば」とあるのみで詳細は不明)詳細不明同上──請求認容──婚姻を継続しがたい(最高裁S37.2.6判マ)
⑤       性交不能(妻が提訴)──昭和5612月婚姻、約36ヶ月性交渉なし、昭和60年別居、妻、夫の家業手伝い妻の主張の否認(と思われるが詳細不明)性的不能の有無──請求認容──性的不能を推認、婚姻を継続しがたい重大な事由を認定。加えて、性的不能の不告知は不法行為を形成するとして慰謝料200万円(京都地裁S62.5.12判時1259.92)