突然の事態における問題解決の方法

突然の事態における問題解決の方法

問題点のピックアップ

相手が何を要求しているのかを把握し、自分の希望との違いを認識します。話し合いのテーマは何なのか具体的な争点を決めます。最悪の事態を視野に入れて、慎重に話し合いを行なうための心の準備が必要です。

応用力の鍛え方
突然の事態には、どうしてもこの先の自分が心配になって、最初の一手を間違えてしまうことがあります。何を最終目標とすべきか、それを最初から前面に打ち出していくのか、奥の手としてとっておくべきか、しっかり判断をしなくてはいけません。

さらに、突然の事態が起こったときにかぎって、時間的な余裕がないことも特徴の一つです。このような場合、書籍やインターネットから知識を得ている暇さえない場合があるので、判断に迷う場合には必ず見識のある専門家に相談して、最終目標を見定めたうえで、一手一手、手をしっかり考えておく事が大切です。

問題点
相手の要求 →相手の要求の意思と理由はどの程度のものか?
相手の行動 →妥当なものか?
相手の言い分→どこまで、真実なのか?どのレベルなのか?
今後の不安 →現実的なものと、心理的なものはどうか?

×マイナスポイント】
今までの自分を振り返り反省する点

【○プラスポイント】
これからの希望と提案の中身
今までの自分、これからの自分が相手に与えられる点

 解決策の練り方

  • できることから行動していく

最善策は、すぐにでも当人と話し合うことですが、そこに抵抗を感じるのであれば、動揺と興奮を抑えるためにも関係者にヒアリングをします。場合によっては、この手の見識者や専門家、上司、同僚に意見を求めることもOKです。身近で調べられるものは全て調べて、状況を確認します。情報や他人の経験則などを踏まえて、相手の目的を推認し、解決への糸口を探ります。

  • こういう事態になった経緯を考える

少し冷静になったところで、相手が何を根拠に行動したのか熟考してみます。予兆はなかったか、こちらの落ち度はないか、健康状態・精神状態はどうだったか、よく考えてみる事です。ここで大切なのは、根拠のない推理をしないことです。これを邪推といい、話し合いの前に予断を持つことはしてはいけません。

  • 落としどころは3つのレベルで用意します

比率は7:3、5:5、3:7といった具合に考えます。こちらが優位に終われる事に越したことはないのですが、最終的に握手をするために、相手に譲れるものは譲って、自身のマイナスを減らすことを考える必要もありえるという余裕を持つ必要があります。そう決めておくことで、分が悪く終わったとしても想定内ということになります。ただし、そうならないために交渉する事を忘れないでください。

 交渉の実践

  • 場所の決め方

相手と2人であれば、自宅で話し合いの時間をつくる事が賢明です。お店や外で会うとなると、現実的には日時や場所を決める会話をすることが至難となるでしょう。相手側の第三者が立ち会う場合は、外で会うようにします。会話の内容によっては取り乱すことも考えられ、自宅だと気持ちの切り換えがつきにくいこともあるからです。

  • 話し合いの方向性

相手に翻意を求めるためには、相手の気持ちを性格に聞き取り、同意できる部分、どうしても同意できない部分を徹底的に明確にすることです。その中で同意できない部分については、自分の考えを遠慮なく伝えなくてはなりません。

洗い出した項目は、お茶を濁すことなく1つ1つ解決するようにします。不満が鬱積しているにしても、精神的に不安定だったとしても、ちゃんとした会話がなかったことが原因と考えられます。これをきっかけにお互いの時間を持つことも解決の糸口になるでしょう。

相手の意思を確認してから、切り札を出します。これは折り合いをつける最終アイテムです。相手との落としどころを探ります。

  • 結論の導き方

時間が迫っていることを踏まえた上で、最善の結論を考えます。こちらの振る舞い、相手の振る舞いに問題があるにせよ、相互のコミュニケーション不足というのは否めないはずです。であるならば、ひとまず相手の要求の受け入れられるものは受け入れて、相手にも譲歩を促します。あくまでも前向きにこちらの要求を揚げます。こちらの相手をいたわる気持ちが伝わると、話は好転するはずです。最悪の事態となった場合には、金銭の問題もあるので、信頼できる専門家に相談しましょう。

もとのサヤに収まりたいのなら、わが身を振り返る

離婚が成立するには、大きく分けて2つの方法があります。

  • 協議離婚(夫婦が協議して離婚することに合意すること)
  • 裁判離婚(どちらかが離婚に同意しないため、離婚を求める側が、離婚訴訟を提起する方法)

配偶者から離婚を切り出され、別れる気持ちがないのなら、相手方に法律上離婚を求める権利があるのか否かを法律専門家に相談して、しっかりと把握しておくことが大切です。相手方に裁判で離婚を求める権利がないのであれば、相手方はあなたを説得し、離婚の同意を得なくてはなりません。すなわち、あなたの同意なしには離婚できないということです。つまり、法律上はあなたが有利な立場にあるともいえます。

仮に、相手方が家を出るという実力行使に出てしまった後、もとのサヤに収まりたいという場合があります。そんなときは攻守ところを変えて、あなたが積極的に働きかけて関係修復を図らなければなりません。

たとえばあなたがケチだとか、ゴルフや麻雀ばかりしているという点が相手側の不満だとします。ケチかどうかはわが身を省みて、客観的に検討してみることが必要です。あなたは家族のために、収入の一部を貯えに回しているかもしれません。金銭管理について、相手方との間に意思の疎通は十分に図られているのでしょうか。また、ゴルフや麻雀も、取引先の接待のためということがあります。付き合いも仕事のうちという言葉もあるにはありますが、はたで見る者にとっては遊んでいるだけのように見えてしまうこともあります。

結局、夫婦間で意思の疎通が不十分で、そのために誤解が生じ、その結果が今の状態となっているということです。これを解消するためには、よく話し合うしかありません。

夫婦の間がうまくいかなくなる原因については、夫婦どちらか一方だけに原因があることもあります。しかし、双方に半分ずつ原因があることもよくあることです。あなたからみて相手方の言い分に間違いがあると思っても、間違いである部分を徹底的に攻撃するのではなく、非難される点については、自分にも何かいたらない点があったのではないかとわが身を振り返ってみる謙虚さが必要です。

よりを戻したいというとき、相手方に「離婚を求める法律上の権利はない」ということを大上段に振りかざすのは無意味です。自分のいたらなかった点を素直に反省し、夫婦の関係を修復することへの熱意を相手方に感じとってもらうことからはじめるべきではないでしょうか。

交渉を勝ち抜くセオリー

  • 交渉・話し合いはWin・Winが原則

交渉・話し合いは、自分の一方的な考えを相手に押し付けることでは決してありません。今日の社会では、交渉したり話し合う当事者は平等な人格を有する人間です。もしそうでなければ、交渉・話し合いという名目において、実際には一方的な通告会をしているにすぎなくなってしまいます。

交渉・話し合いは、双方にとって話し合うメリット(実益)が必ずあります。こちら側だけにメリットがあって、相手方に全くメリットがなければ、誰が話し合いに応じますか?交渉・話し合いの目標は合意形成にあります。つまり、お互いがなんらかの納得をして、合意に達するということです。当事者双方の主張に不一致があるからこそ交渉・話し合いの場が持たれる事を考えれば、合意形成のために双方の譲歩が必要であることは誰でも理解できるはずです。

譲歩の限度によっては不満が残るかもしれませんが、合意形成によってもたらされる満足の勝ちが高いことに留意すべきです。

両者双方に多かれ少なかれメリットを出すという考えをするためには、あるものは捨て、あるものは拾うという選択が必要になります。「名を捨てて実を取る」という言葉がありますが、名誉と実利の両者を手に入れることができれば、何も言う事はありません。しかしテーマによっては、あるいは当事者双方のそれぞれの立場にとっては、実利(金銭)よりも名誉の価値と考える人がいるのです。

金銭がすべてを解決する手段ではありません。金銭は解決手段の1つにすぎないことを忘れてはいけません。合意に達するには互譲の精神とその実践が必要です。もちろんその逆で、名誉は捨てても金銭的な価値をとるという選択肢もありますし、最終的な決着は金銭でということも多々あるのも事実です。

すべて自分の思い通りの合意が成立したとしても、相手方に屈辱感や恨みを残すようなものであれば真の解決ではなく、将来に大きな禍根を残すことになります。Win・WiNの関係とは、逆に言えば、Lose・Loseの関係でもあることを忘れるべきではありません。

「お互いの利益は何か」
双方になんらかの利益・実益をもたらすことについて、認識の一致が必要