別れたい理由 | 別れない理由 | 攻防の要点と結果 | |
① | ▪暴力 (妻が提訴) ▪性交渉の拒否等 | 夫の暴力が原因(妻の言い分) 妻の要求拒否が原因(夫の言い分) | 破綻の責任はどちらにあるか──双方の離婚は認容、但し婚姻関係の破綻の責任は双方にある(東京高裁s58.1.27判時1069.79) |
② | 暴力 (妻が提訴) | 夫は身体に障害があり介護が必要、妻の理解不足、妻の男性交際、預金着服を主張(有責配偶者であるとの主張) | 破綻責任の軽重──第1審は夫に反省の機会を与えて妻の請求を棄却。が、控訴審は、夫が自己中心的で他罰的、思いやり等の自省の跡が見られないとして妻を勝訴させた(東京高裁H8.7.30判時1577.92) |
③ | 暴力 (妻が提訴) | 一過性の暴行で、暴力の原因は住居の権利証を妻とその母が持ち出そうとしたことなどにある | 一過性の暴行か否か、暴力の原因──妻の請求を棄却(東京高裁s53.3.29判時893.38)
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④ | 妻の別居 (夫が提訴) | 別居は夫の暴力が原因(つまり夫の言いなりになりたくない) | 別居の原因──夫が悪いので、夫の請求を棄却(東京地裁H10.1.30判夕1015.232) |
⑤ | 夫の暴力 (熟年夫婦の妻が提訴) | 自分は真面目で堅い面もあるが、家族のために朝早くから夜遅くまで働き、自己の意思に反して離婚を強制される理由はない。妻は自己中心的性格から第2の人生を勝手に夢見て申し立てたもので戻ってくることを懇願 | 婚姻関係を継続しがたいか否か、破綻の有無と責任の所在──請求棄却。妻を足蹴にし、血の出るほどの殴り合いがあったと認定しつつも、じっくり腰を据えて真剣に気長に話し合うべきであると判示(名古屋地岡崎支部H3.9.20判時1409.97) |