もとのサヤに収まりたいのなら、わが身を振り返る

もとのサヤに収まりたいのなら、わが身を振り返る

離婚が成立するには、大きく分けて2つの方法があります。

  • 協議離婚(夫婦が協議して離婚することに合意すること)
  • 裁判離婚(どちらかが離婚に同意しないため、離婚を求める側が、離婚訴訟を提起する方法)

配偶者から離婚を切り出され、別れる気持ちがないのなら、相手方に法律上離婚を求める権利があるのか否かを法律専門家に相談して、しっかりと把握しておくことが大切です。相手方に裁判で離婚を求める権利がないのであれば、相手方はあなたを説得し、離婚の同意を得なくてはなりません。すなわち、あなたの同意なしには離婚できないということです。つまり、法律上はあなたが有利な立場にあるともいえます。

仮に、相手方が家を出るという実力行使に出てしまった後、もとのサヤに収まりたいという場合があります。そんなときは攻守ところを変えて、あなたが積極的に働きかけて関係修復を図らなければなりません。

たとえばあなたがケチだとか、ゴルフや麻雀ばかりしているという点が相手側の不満だとします。ケチかどうかはわが身を省みて、客観的に検討してみることが必要です。あなたは家族のために、収入の一部を貯えに回しているかもしれません。金銭管理について、相手方との間に意思の疎通は十分に図られているのでしょうか。また、ゴルフや麻雀も、取引先の接待のためということがあります。付き合いも仕事のうちという言葉もあるにはありますが、はたで見る者にとっては遊んでいるだけのように見えてしまうこともあります。

結局、夫婦間で意思の疎通が不十分で、そのために誤解が生じ、その結果が今の状態となっているということです。これを解消するためには、よく話し合うしかありません。

夫婦の間がうまくいかなくなる原因については、夫婦どちらか一方だけに原因があることもあります。しかし、双方に半分ずつ原因があることもよくあることです。あなたからみて相手方の言い分に間違いがあると思っても、間違いである部分を徹底的に攻撃するのではなく、非難される点については、自分にも何かいたらない点があったのではないかとわが身を振り返ってみる謙虚さが必要です。

よりを戻したいというとき、相手方に「離婚を求める法律上の権利はない」ということを大上段に振りかざすのは無意味です。自分のいたらなかった点を素直に反省し、夫婦の関係を修復することへの熱意を相手方に感じとってもらうことからはじめるべきではないでしょうか。