有責配偶者からの離婚請求

有責配偶者からの離婚請求

有責配偶者とは、例えば「妻以外の女性を愛人にして、それが原因で結婚生活を破綻させた夫」のように、「婚姻の破綻に責任のある配偶者」を指します。

以前、裁判所は、有責配偶者からの離婚請求を認めませんでした。夫婦の一方に離婚に至る責任が認められる場合に、責任の無い一方が離婚請求することしか認めない、という考え方です。この考えに基づく法制度を「有責主義」と呼びます。

けれども、有責配偶者からの離婚請求を認めなかったとしても、破綻した夫婦の関係の復元が不可能で、問題解決にはならないケースが少なくありません。夫婦仲が修復不可能な状態であれば、どちらかに責任があろうがなかろうが離婚を認めるべきだ、という考え方もあります。こういう立場を、「破綻主義」といいます。

最高裁判所の判例でも、未成熟子(ほぼ義務教育が修了するまで)がいない夫婦に8年別居の事実があった場合に、有責配偶者からの離婚を認めています。別居期間は5年でもいいという意見もあります。ただし、離婚によって相手が極めて苛酷な状態に置かれるなどの事情がない場合にかぎります。

法律・判例の流れ

 有責主義 

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破綻主義