配偶者が勝手に離婚届を出しそうな気配なら不受理届

離婚届の不受理申出

自分は離婚したくないのにもかかわらず、相手が勝手に離婚届を出してしまう恐れがある場合や、離婚届に署名・押印して相手に渡した後で思い直すような場合があります。そういう場合、もしも離婚届が役所に提出されても、それを受理させないために、「不受理申出」の制度を利用することができます。

本籍地の市町村長に対して「不受理申出」を提出すると、市町村長は離婚届を受理しません。本籍地以外の市町村長に申し出る場合、その市町村長から本籍地の市町村長に送付されます。

「不受理申出」は、離婚届と同様に決められた書式があります。

不受理申出は「本人の死亡」または「不受理申出の取下げ書」が提出されるまで、氏や本籍に変更があった場合でも、効力は継続されます。

申出先:住所地または本籍地の市区町村役所の戸籍係
必要な物:「離婚届不受理申立書」(所定の用紙)
有効期限:取下げ書が提出されるまで

申し出は、いつでも撤回できます。この撤回には、「不受理申出取下書」を提出します。「不受理申出書」を提出した後に離婚届を提出する場合は、「不受理申出取下書」を提出してからでないと受理されません。

3カ月以内に取り消せる場合

暴力や脅迫または詐欺によって、署名・押印した離婚届が提出されて離婚が成立してしまったら、協議離婚取り消しの申立てを家庭裁判所にできます。この「離婚届」は偽造ではないので、離婚無効とは違って一旦は離婚が成立したことになります。しかし、本人の意思に反するものだったので、有効に成立した離婚の取消しを求める審判または訴訟手続きを行えます。

手続きには期間の制限があります。詐欺などの事実を発見した時から、3カ月を経過した時には取消権は消滅します。この取消権は本人だけにあり、第三者が取り消すことはできません。