3.公正証書を作るにあたって

離婚協議書(または覚書)に書く内容

  • 家族全員の名前(こどもは生年月日も必要)
  • 離婚について
  • 子どもに関すること(親権や養育費、面接交渉について)

親権、養育費の金額や支払い期間、振込口座などなるべく詳しく

  • 大人に関すること(慰謝料「和解金」や婚姻費用、財産分与について)

不動産を財産分与する場合は、登記簿謄本や固定資産の評価証明も公証人にわたす。

  • その他

お互い住所が変わるときは知らせる  など

話合いの内容

①協議離婚の合意
②子の親権者の指定
③養育費の金額
④面接交渉の具体的内容(日時・場所・方法等)
⑤慰謝料の金額
⑥財産分与
⑦年金分割
⑧支払期間
⑨支払い方法
⑩清算条項

以上が一般的な協議の内容になります。これを元に離婚協議書を作成します。

※次にある見本はサンプルであり、内容は人によって様々ですので参考程度にご覧ください。

理論的に必要十分な要件を理解しつつ、わかりやすい表現ができるように務めることが大切です。そのためには、多少余分なことであっても、合意内容を明確にし、あるいはわかりやすくするために記載することが相当な場合もあります。

■覚書メモの見本

離婚の覚書
夫・・・山田太郎
妻・・・山田花子
子・・・山田一郎(2000年1月2日生まれ)
山田美香(2003年4月5日生まれ)
○離婚について
▪夫(山田太郎)と妻(山田花子)は、協議離婚する。

○子どもについて
▪子ども2人の親権は妻がもち、離婚後は妻がひきとって育てる。
▪子どもの養育費として、1人につき毎月3万円、夫が妻の口座に振込む。
(○○○銀行 ○○支店 普通012340 山田花子、離婚後は鈴木花子)
期間は離婚届を出す○年○月から、それぞれの子どもが20歳になる月まで
(一郎は2020年1月分、美香は2023年4月分まで)
▪振込み手数料は夫が負担する。
▪養育費は、夫と妻それぞれの事情が変わったときや、子どもの進学のときに、また相談する。
▪子どもは月に1回程度、父親と会う。場所や時間は、夫と妻がその都度相談して決める。

○大人に関すること
▪夫は妻に慰謝料として300万円を、毎月2万円ずつ分割で払う。
(○年○月から○年○月まで、養育費といっしょに毎月1日○○○銀行に振込)
▪手数料は夫が負担する。
▪夫は妻がたてかえた別居中の生活費3ヶ月ぶんとして、24万円を○年○月までに払う
(○○○銀行に振込)
▪貯金500万円は夫婦で半額(250万円)ずつわける。
▪夫は妻にマンションを空け渡す。

○その他
▪お互い住所が変わるときは知らせる。
▪以上の内容で、「執行認諾文言付き公正証書」をつくる。

 

離婚協議書の見本

離婚協議書

 山田太郎(以下、甲という)と妻花子(以下、乙という)は、離婚について以下のとおり合意した。

第1条 甲と乙は、協議離婚することに合意したので離婚届に各自署名押印した。
第2条      甲乙間の未成年の子、長男山田一郎(平成12年1月2日生まれ、以下、丙という)及び長女山田美香(平成15年4月5日生まれ、以下、丁という)の親権者を乙と定める。
第3条      甲は乙に対して養育費として平成○年○月○日から、丙及び丁が各々満20歳に達する日の属する月まで、1人につき1ヶ月金3万円を、毎月末日限り、乙名義の○○銀行△△支店 普通預金口座(番号012340)に振り込み送金して支払う。
第4条      甲は乙に対し、離婚による慰謝料として、金300万円を平成○年○月○日までに支払う。
第5条      乙は甲が、丙及び丁と、月1回程度、面接交渉することを認める。その具体的な日時、場所、方法等は、子の福祉を尊重し、当事者間で協議して定める。
第6条 甲は乙に対し、離婚による財産分与として、金○○万円を平成○年○月○日までに支払う。
第7条      甲、乙は、本契約に定めた以外には相手方に対して何ら請求しないことを相互に確約した。 

右のとおり合意したので、本書二通作成し、甲乙各自署名押印の上各自一通ずつ所有する。

令和○年○月○日
甲 ○○県△△市□□町○○番地    山田太郎  印
乙 ○○県△△市□□町○○番地    山田花子  印